“次世代の小田急バス”を
つくるために。
本社と営業所 ―― 総合職には大きく2つの職場がありますが、そのキャリアステップや経験する仕事は人それぞれ。
ここでは2名の社員を例に総合職のキャリア像を紹介します。
本社の総務部から会社生活をスタートした木村は、その後、営業所と本社の異動を繰り返すなかで
次第に“小田急バスの未来”について考えるようになっていった。
そして現在、彼は「次世代の交通サービス」という“業界全体の未来”にチャレンジしている。
入社後、本社の総務部労務課に配属され、主に採用活動の補助や営業現場からの申請の事務手続きを担当しました。特に採用活動に携われたことで、当社の事業の構造や仕事の流れを把握することができました。2年目からは生田営業所に異動し、窓口業務や収入金の精算業務を担当しました。365日、確実にバスを運行するためには、運転士だけでなく、営業所で働く整備士や総合職など、さまざまな職種の人たちが必要なんだと実感しました。言い換えれば、どこかでミスを起してしまうと、それがたとえ小さなものだったとしても社員やお客様に迷惑をかけてしまう。日夜バスを運行している現場での経験によって、一人ひとりの仕事の責任の大きさに気づかされました。
4年目からは本社の総務部労務課に戻りました。しかし、担当業務は前回とは違い、会社全体の賃金管理や社員の労務管理を担いました。会社の経営に関わるため、これまで以上にミスが命取りになる仕事で、営業所から送られてくるデータに加えて税金や保険、細かな法改正なども常にキャッチしておく必要があり、気を抜けない日々が続きました。さらに、社員の給与を算出する仕事も担当していたため、毎月の給与日は「間違っていなかったか?」と気が気じゃありませんでした。しかし、税や保険、法律など、ほかの社員が知らないことまで学べたことは貴重な経験でした。
総合企画部に異動したばかりの頃、上司から「社内の業務改善・効率化を推進するプロジェクトをやってみないか?」と言われました。労務課での仕事ぶりを評価していただいたと聞いた時は「ほかの部署の社員もちゃんと見てくれているんだ」と嬉しく思い、二つ返事で参加しますと言いました。プロジェクトをスタートするにあたって、非効率な業務を洗い出す必要があると判断した私は、入社後間もない事務係10名を集め、フラットな視点で意見を出し合いました。その結果、プロジェクトメンバーの意見としてまとまったのが“デジタル化の推進”でした。その後、営業所内に新たなシステムを導入したほか、資料のペーパーレス化を進めることができ、現場からも高く評価されました。
14年目からは、登戸営業所での業務主任、武蔵境営業所での副所長と、バスを運行する営業所を管理する立場となりました。本社では「業務改善・効率化」を追求してきましたが、営業所ではやはり「バスの安全運行やお客様のサービス向上」が重要です。そのために何ができるかを考えていた時に気づいたのが、運転士や整備士など一人ひとりとの会話から見えてくる“本社からは見えてこない本音”でした。「まずは現場で働く社員の働きやすさを向上させることだ」と思い、それ以来、どんな些細なことでも現場からの要望として本社へ伝えるように心がけました。
現在は、本社に異動して運輸営業部で小田急バス全体の運行管理をはじめ、自動運転やMaaS※など“次世代の公共交通機関のあり方”を研究する仕事をしています。次世代モビリティへの取り組みは、社内の他部署の社員はもちろん、小田急電鉄やほかの交通事業者、地方自治体などと連携しながら、新技術に関する情報収集と自動運転バスの実証実験の準備に取り掛かっています。まだ始まったばかりなので成果はこれからですが、想像力を働かせ、常に先を読んだ仕事をしていくつもりです。…というように、この年齢になってもまだまだ新しいことに挑戦できることも、小田急バスの魅力の一つです。
※MaaS:Mobility as a
Serviceの頭文字。ITを用いてバスや電車、タクシーなどあらゆる公共交通機関をシームレスに結びつけ、効率よく便利に使えるようにするシステムのこと。